胆石症とは

胆石症画像 あなたの身近な人が胆石で手術をしたという話を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。胆石の種類から治療までを簡単にご説明します。胆嚢は肝臓にできた胆汁という消化液を一時的に蓄え、濃縮する働きをしています。そして、食事をした際にこれを胆管に押し出して消化を助けます。この胆汁のながれ道に石ができる病気です。胆嚢の中にできた石を胆嚢結石、胆管にできた石を胆管結石、肝臓の中の胆管にできた石を肝内結石といいます。石の種類は、成分によってコレステロール系結石と色素結石に分けられます。
日本人の胆石は、古くは色素結石がコレステロール系結石よりも多かったのですが、近年食生活の欧米化、すなわち脂肪摂取量の増加によって胆石保有率が増加するとともに、コレステロール系結石の割合が増加しています。日本人の胆石保有率は15%前後(7人に1人)と推定されています。健康診断や人間ドック、特に超音波検査の普及により胆石が発見される機会が多くなっており、その大半は自覚症状がなく「サイレントストーン(無症状胆石)」と呼ばれ、胆石症患者の半数以上を占めています。

胆石症の症状

胆嚢結石…無症状のことも多いのですが、発作(多くは胆石が胆嚢の出口を塞ぐことによっておこります)が起きると右上腹部に差し込むような痛みがでたり、右肩や背部に重い痛みを感じることがあります。胆嚢炎を合併すると発熱がみられ、痛みが増強します。

胆管結石…上腹部の痛みに加えて、体が黄色くなったり、尿が褐色になったりします。胆管炎を合併すると発熱がみられ、時としてショックや意識障害を起こし重篤な状態に陥ることもあります。

肝内結石…上腹部に鈍痛があることがあるが、あまり症状はありません。時おり、原因不明の熱発がみられることがあります。

胆石症の検査 -胆石症の検査の代表的なものをご紹介します-

腹部超音波検査 腹部超音波検査
エコーと呼ばれる検査法です。体表からプローブという超音波を発する機械を用い体内を観察します。非常に簡便な検査法です。

CT検査 CT検査
コンピュータ断層撮影という診断装置です。胆石症のみならずお腹の中の色んな病気の診断に用いられます。

MRCP検査 MRCP検査
磁気共鳴装置を使い、胆汁と膵液(膵臓から分泌される消化液)の流れを調べる検査です。手術の前によく行われる検査で胆汁の流れの悪い場所の診断ができます。

ERCP検査 ERCP検査
内視鏡(胃カメラ)を使った検査法です。内視鏡で胃と十二指腸を見て、十二指腸にある乳頭(胆汁を膵液の出口です)からチューブを入れて、胆汁(あるいは膵液)の流れ道を写す検査法です。胆管に石がある場合によくおこなわれている検査法で診断と同時に治療(胆管の石の除去)も可能です。

胆石症の治療

① 胆嚢結石の治療
胆石溶解療法
胆石溶解剤を飲んで胆石を溶かす方法ですが、すべての胆石に適応があるわけではありません。胆嚢内のコレステロール系結石で、大きさが15mm以内、石灰化がなく、胆嚢の収縮が良好であるなどの条件があります。また、長期内服せねばならず、溶解しても再発する率が高いという難点があります。

体外衝撃波胆石破砕療法(ESWL)
体外から胆石に向かって衝撃波を当て、胆石を破砕する方法ですが、結石が小さな破片になるため、胆嚢管などの細い胆管で引っかかり、症状が悪化することもあるのであまり一般的ではなく当院でもおこなっていません。

胆嚢摘出術(腹腔鏡手術)
この治療法が現在は、最も一般的です。手術的に胆嚢および胆石を摘出する根治療法です。腹腔鏡下胆嚢摘出術が標準術式です。腹腔鏡と鉗子を使う手術で、傷が小さく、術後の回復が早いことより、1990年以前の開腹手術に変わって現在は第1選択の術式です。ただし、癒着の著しい場合や高度の炎症がある場合には開腹せざるを得ないこともあります。

② 胆管結石の治療
内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)・内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)
内視鏡を使って胆管の開口部である十二指腸乳頭部を広げ、胆管結石を十二指腸内へ排石させる方法です。現在の第1選択術式で、当院では年間100例近くの症例に対してこの方法で治療しています。

手術療法
上記の内視鏡的治療が困難な場合は総胆管切開切石術が標準術式です。総胆管を切開して胆管結石を除去する手術です。

このように胆石症の治療は胆嚢結石では腹腔鏡下胆嚢摘出術、胆管結石ではEPBDやESTが標準的治療法です。胆嚢結石で無症状例、いわゆるサイレントストーンは原則的には治療の対象になりません。ただし、胆嚢壁が肥厚した症例や結石が胆嚢内に充満して胆嚢壁の観察が不十分な例は無症状であっても、胆嚢癌を否定できない場合には、胆嚢摘出術の適応となる場合があります。胆嚢癌はかなり進行してからでないと症状が出にくく、早期発見が難しく、また治療も困難ながんです。
また胆嚢に急激な炎症が起こったときは、胆石症治療ガイドラインでは96時間以内の手術が望ましいとされております。当院では胆石発作や急性胆嚢炎には可及的速やかな対応を心掛けております。

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