便失禁

【便失禁とは】
「便失禁」ということばは普通便のコントロールがうまくいかない場合に用いられます。とくに自分で便を出さないあるいはできるだけ留めておこうとする自分の意思に反して便が漏れ出る状態をあらわしています。

【便失禁の原因について】
◆便失禁の原因にはさまざまなものがあります。
1. 肛門周囲の括約筋あるいは神経の損傷によるもの:出産のときや、痔核、痔瘻などに対する手術、あるいは事故の際に括約筋や括約筋を動かす神経が傷つけられて失禁を起こすことがあります。
2. 直腸肛門の病気によるもの:直腸脱や、直腸の中にできた腫瘍などが原因となることがあります。
3. 加齢:一般に加齢により肛門の括約筋が衰えて緩くなります。
4. 内科の病気:糖尿病などにより肛門の筋肉が緩んで便失禁をきたす糊塗があります。

【便失禁の原因やその程度を知るための検査は?】
◆便失禁の原因やその程度を知ることは医師にとっても患者さんにとってもその後方針を決める上で役に立ちます。
1. 直腸指診:一番基本的な診察方法です。医師が指を肛門に入れて病気の有無や、括約筋の強さを大まかに判断することができます。
2. 肛門内圧検査:肛門周囲の括約筋の働きを測定する方法です。一般的には便失禁の方では肛門内圧は低い値を示します。
3. 直腸造影:直腸の中に少量の造影剤を入れて実際の漏れ具合や、排便の様子を調べることができます。
4. 超音波検査:肛門の中に超音波検査用のプローブを入れて外からは見えない括約筋の損傷やその程度を知る有効な手段です。

【治療について】
◆腸の病気や内科の病気がはっきりした場合はその治療をします。肛門の筋肉や神経に問題がある場合は大きく分けると薬や運動で治す内科的治療と手術で治す外科的治療があります。
1. 薬:整腸剤で腸の運動を整えたり、下剤で直腸を空っぽにしたりする方法があります。
2. 理学療法(体操):肛門の周囲の筋肉を締める運動をします。
3. バイオフィードバック:自分の肛門の締まり具合を器械で確認しながら行うことができます。
4. 手術:部分的に欠損している括約筋を縫い縮めたり、太ももの筋肉の一部を肛門の周囲に巻きつけたりする方法があります。

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