食道静脈瘤

 食道静脈瘤は肝硬変症の合併症であり、症状は全くありませんが無治療で経過すると静脈瘤破裂による出血をきたし死亡することがある病気です。静脈瘤治療はダイナミックCTやMRIで判断した血行動態をもとに肝予備能や肝癌合併の有無などを考慮して治療方針を決定します。最近多くの病院で行われている内視鏡的静脈瘤結紮術EVLは簡便ではありますが、EVLを繰り返し行うことでいわゆる「堰き止め現象」が生じ、胃噴門部静脈瘤が発達し破裂することで致命的となる場合があります。
当院では噴門部静脈瘤にも対応可能で根治性の高い内視鏡的静脈瘤効果療法EISを基本としますが、血行動態や肝予備能に応じてEVLも行います。静脈瘤破裂による出血にも対応可能です。静脈瘤破裂による出血に対してはEVLにて一次止血を行い、その後全身状態が安定した時点で肝機能を再評価し根治術としてEISまたはEVLを追加します。
静脈瘤は肝硬変に合併するために、肝癌患者さんに認めることも多いですが、肝癌患者さんに対する静脈瘤治療はどのようにして行うべきかについては全国的に統一された見解がありません。当院では過去の患者さんのデータを分析し、肝癌のステージと肝硬変のステージを統合したJIS scoreを用いることで最適な治療方法を選択できることをこれまでに学会でも報告してきました。これにより不必要な治療を避け、かつ静脈瘤破裂による出血もうまくコントロールできます。当院の静脈瘤治療は日本消化器内視鏡学会や日本消化器病学会、日本門脈圧亢進症学会でも高く評価されており、安全でかつ根治性の高いことが特徴です。

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