医療法人錦秀会 阪和記念病院

冠動脈(心臓)CT検査 Coronary Computed-Tomography Angiography

冠動脈(心臓)CT 検査とは...?

冠動脈(心臓)CT 検査

冠動脈(心臓)CT検査は、心臓カテーテル検査と異なり非侵襲的に冠動脈評価が得られる検査法です。体にX線を照射し、撮影した体内の画像をコンピューターを使って立体的に見たり、血管の性状を見ることで心臓の状態や働きを詳しく検査します。
冠動脈CT検査は、カテーテル検査に比べ受検者の身体的負担を大幅に軽減するだけでなく、検査費用も安価で気軽に冠動脈の評価ができる検査です。多くの研究の結果、非常に高い陰性的中率(NPV:約98%程度)を示していることが分かり、狭窄の有無などスクリーニング検査に有用なほか、無症状だが高脂血症や高血圧などのハイリスクな方から、労作時胸痛や狭心症・心電図異常など症状や所見の見られる方まで、狭窄の疑われる方に有用な検査です。


図1: 冠動脈の解剖


図2: 正常の冠動脈CT検査


図3: 冠動脈疾患患者の冠動脈CT検査と冠動脈造影検査の比較

冠動脈(心臓)CT検査でわかること・わからないこと

心臓に酸素や栄養をおくる冠動脈と呼ばれる血管の状態や、心臓の全体像がわかります(図1、2参照)。冠動脈が細くなり、心臓に十分な酸素がおくれなくなることによっておこる狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患や、生まれながらにある心臓や血管の走行異常などを早期に発見することができます。また、心臓バイパス手術後の経過なども調べることが可能です(図3参照)。
一方冠動脈石灰化などを伴うとアーチファクトから冠動脈病変の評価が困難となるなど、心臓カテーテル検査と比べて劣る点もあります。

冠動脈危険因子と虚血性心疾患の関係

虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)を引き起こす冠動脈危険因子を図4に示します。
冠動脈危険因子の総数が増えるほど、 虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)になるリスクは一段と高くなります。


図4: 冠動脈危険因子と虚血性心疾患の関係1


図5: 冠動脈危険因子と虚血性心疾患の関係2

2001年のデータでは、冠動脈危険因子を3-4持っている方はない方と比較して30倍も虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)になりやすいことが報告されています(図5参照)。

冠動脈(心臓)CT 検査の適応

中等度以上の高度の冠動脈疾患のリスクを持つ患者様
冠動脈危険因子(高脂血症・高血圧・糖尿病・喫煙・肥満・睡眠時無呼吸症候群・狭心症や心筋梗塞の家族歴のある)のうち、3つ以上持っている患者様。
労作時の胸痛、息切れや疲労がなくても無症候性の虚血性心疾患を有している可能性があります。
低等度の冠動脈疾患のリスクを持つ患者様
冠動脈危険因子が2つ以内の患者様。,br> 労作時の胸痛、息切れや疲労のような症状があればスクリーニング検査を一度施行してみてください。

冠動脈(心臓)CT 検査の禁忌の方

以下の方は、原則禁忌としています。

以下の方は、相対禁忌としています。

循環動態が不安定、頻脈、不整脈(頻発する期外収縮、心房細動など)の方は画像解析不可能の場合がありますのであらかじめご了承ください。

冠動脈(心臓)CT 検査の手順

検査 検査は造影剤を経静脈的に注入して、数秒間のCT撮影で終了となります。
撮影時間 約20~30分です。
読影結果 数日内に放射線専門医師による読影結果を担当医師よりご報告させていただきます。
(週末検査施行の場合はもう少し長くかかります。)
諸費用 3割負担で1万円程度です。

冠動脈CT検査の流れ

外来受付

循環器内科を受診していただきます。総合受付におこし下さい。

循環器内科外来受診

以下のチェックを受けます。

検査日

造影剤使用のため検査 3 時間前から食事を止めていただきます。 水分は十分に摂って下さい。外来にて検査用の点滴を取ります。

CT検査室

検査は血圧測定の後、心電図モニターを付けます。
検査時、何度か息止めの練習をします。
撮影時間は10秒程度です。
診断に充分な静止画像を得るために呼吸をしっかり止め、体を動かさないようにして下さい。
造影剤を注入しながら撮影を行います。
造影剤を注入する際、熱い感じがあります。
すぐおさまりますので、あわてずにしっかり息止めをして下さい。
※検査前に脈拍数の多い人には、一時的に脈拍数を下げる効果のある薬(β遮断薬)を使用する場合があります。

検査終了

血圧を測定し点滴の抜針をして検査終了です。
検査所要時間は 約20分程度です。
食事、入浴など特に制限はありません。
造影剤は尿として排泄されるため、水分を多めに採ってください。
放射線専門医が冠動脈CT検査結果を解析し読影を行います。
循環器医師より患者様へ結果説明を行います (結果説明が後日となる場合があります)。
診断レポートと診療情報提供書をご紹介していただいた医療機関へ郵送または、患者様にお渡し致します。

よくあるご質問 FAQ

冠動脈CT検査とはどんな検査ですか?

冠動脈CT検査は、心臓を栄養する冠動脈という血管の形態を調べる検査です。
今までは心臓カテーテル検査でしか見れなかった冠動脈の走行や狭窄を評価することができます。
冠動脈CTでは心臓カテーテルを使用せず、造影剤を点滴注射することで冠動脈の形態評価が可能です。
心臓カテーテル検査と比べて入院の必要がなく外来(日帰り)で検査が可能です。
簡単でより低侵襲で体の負担が少ない検査です。

冠動脈CT検査で何がわかりますか?

冠動脈の形態、走行や性状(石灰化や血栓など)を調べる事により、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)の早期発見の為のスクリーニング検査です。
また冠動脈治療後の経過観察や冠動脈バイパス術前検査などにも用いられます。

検査はどのように行われるのですか?

造影剤の点滴静注とCT検査装置を組み合わせることにより、冠動脈を立体的(3次元)に描出します。
造影剤を使用しますので事前に必ず診察、心電図・血液検査(腎機能など)や造影剤使用の同意についての説明を医師から受ける必要があります。
検査所要時間は約30分前後です。
検査前に心拍数の多い人には、一時的に脈拍数を下げる効果のある薬剤などを使用する事があります。
詳細は検査の流れをご参照ください。

検査は信頼できるものですか?

検査の成功率は約90%です。非常に有用な検査ですが、以下に該当する方は評価が難しい事があります。
頻脈、不整脈や高度冠動脈狭窄を持つ患者様は検査精度が低くなる可能性があります。
動脈硬化が強く、冠動脈の石灰化が強い方や冠動脈ステントがある方は評価が難しい事があります。

検査は誰が評価するのですか?

動脈CT検査の経験豊富な放射線専門医師が評価し所見を付けます。

どのような人がこの検査を受けたらいいですか?

虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)の早期発見のためのスクリーニング検査です。
虚血性心疾患とは、心臓を栄養する冠動脈の血液が流れにくくなる、または流れなくなることで心臓の筋肉(心筋)に酸素が行かなくなり酸欠状態に陥る病気です。
狭心症や心筋梗塞などがその代表で、典型例は胸痛や息切れといった症状が出ます。
但し、糖尿病のある方では無症候性心筋虚血といって症状が全くない方もいます。

冠動脈CT検査は以下に該当する方におすすめです
胸痛、胸部圧迫感や息切れなどの自覚症状を持つ方
階段や坂道を登った時に胸部の圧迫感がある方
朝方や寒い時など安静時に胸部の圧迫感がある方
高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙歴などの冠動脈危険因子がある方
心電図異常を指摘された方
心臓カテーテル検査に対して不安がある方
狭心症や心筋梗塞の家族歴のある方

造影剤検査は安全な検査ですか?

造影剤は希にかゆみ、喘息発作や血圧低下などの副作用を生じることがあります。
造影剤を静脈から急速に注入しますのでごく稀に血管外に漏れてしまうことがあります。
以前に造影剤検査を行った際に副作用があった場合や腎機能の悪い方など、以下に該当する方には造影検査を受けることができない場合があります。

下記に該当する方は検査が行えない場合があります

検査の際、当院では十分に注意し準備や対策もしておりますが、検査前の問診等以外でお気づきの点がありましたら、検査担当者までお申し出ください。

心臓血管病は早期発見・早期治療が大切です!