医療法人錦秀会 阪和記念病院

ABI検査について

心筋梗塞や脳卒中のサインともいえるPADを知っていますか?
PADの患者は約300万人いると言われていますが、その75%にあたる230万人は症状を自覚しない無症候患者です。
ABI検査をハイリスク集団に対する定期的な健診に加えることで、この無症候性患者を発見し、年間のべ92,000人を心筋梗塞や脳卒中などの血管疾患から、のべ33,000人をこれらに起因する死から救うことができると考えられます。
「団塊の世代」が高齢者入りをはじめ65歳以上が、総人口の24.1%で過去最高を記録している日本において、医療費・介護費用の軽減は必至であることからも、予防医療の観点からABI検査のメリットは大きいと考えられます。

PADとは?

PADとは、末梢動脈疾患(Peripheral Arterial Disease)という意味です。

  1. 末梢動脈疾患とは、手や足の血管に動脈硬化ができること
  2. 4人に3人は無症候性で症状が全くありません。
  3. 治療中の患者の4割以上が心筋梗塞・脳梗塞等の血管疾患を合併しています。
  4. 5年生存率69%と大腸癌の生存率とほぼ同じくらい予後が悪い。
  5. 心筋梗塞・脳卒中と比べ、認知度がかなり低く、実際に診断・治療が十分に行われていないのが現状です。
  6. 歩くと血流が悪くなり痛みを生じたり、悪化すると足を切断する場合もある(年間5,000件)

ABI検査とは?

Ankle Brachial pressure Indexの略。

  1. 末梢動脈疾患(PAD)を手軽に正確に効率よく発見できます。無症候患者のハイリスク集団(糖尿病・喫煙者など)において、心筋梗塞・脳卒中の発見に有効 早期発見・予防に有効と考えられる
  2. 痛みを伴わない
  3. 所要時間約5分
  4. 足関節と上腕の収縮期血圧の比を算出します。0.9以下は末梢動脈疾患(PAD)が疑われる

PAD早期発見の重要性とABI検査の有用性

予防医療の観点から

日本人の死因の上位は、悪性腫瘍(がん)、心筋梗塞や狭心症などの心臓病、脳卒中(多くは脳梗塞)の順で、そのうち、心臓病や脳卒中は循環器系の病気です。 脳や心臓、そして足の動脈に血栓が詰まる症状は動脈硬化が基盤となって血栓ができ、血管が詰まるという共通の発症週程を示すことから、統一した疾病概念として「アテローム血栓療(ATIS:エイテイス)」と呼ばれています。
従来、心筋梗塞・脳卒中などの血管疾患を事前に発見するのは、無症候患者においては困難なものとされてきました。その結果、発作等の症状が生じるまで治療を施す機会がなく、症状を自覚した時にはすでに重篤化しているケースが多いのが現状です。
ATISの一疾患である末梢動脈疾患(PAD)患者の40%以上が心筋梗塞や脳卒中などの血管疾患を併発していることから、ABI検査を用いてPADを発見することにより、心筋梗塞・脳卒中などの血管疾患をも予防することも可能です。そして、PAD患者の約75%が無症候患者であることからも、ハイリスク集団に定期的にABI検査を実施することが、PAD及びその他の血管疾患を未然に防ぐために有用と考えられます。また早期発見された場合には、薬物による適正な治療が可能になります。

医療経済の観点から

65歳以上が初めて3,000万人を超え、超高齢化社会に向かっている日本において、医療費・介護費用の軽減は重要な課題です。現在、65歳以上の高齢者の医療賛(一般診療費)15兆円において、1位はPADやその他血管疾患を含む循環系疾患の4.2兆円で、うち心筋梗塞・脳卒中に関する医療費は1.9兆円に上ります。
また、脳卒中は寝たきりの原因の30%とトップを占め、170万人が要介護とされ、その費用は1.7兆円に上ります。つまり、ABI検査のハイリスク集団への定期導入によりPADを早期発見し、心筋梗塞・脳卒中等の血管疾患を未然に防ぐことは、この膨大な診察費や介護費用の削減という観点からも非常に有用と思われます。

詳しくは、診療内容「末梢動脈疾患」をご参照ください。